子どもの「嘘かもしれないよ」に隠れた成長サイン|ベビーシッターが見た心の発達と優しさ


【子どもが教えてくれた「嘘かもしれないよ」の勇気】

ベビーシッターで出会った、小さな葛藤と大きな成長のお話。

先日のベビーシッターで、とても可愛い“秘密の話”を子どもから教えてもらいました。


■ 子どもが教えてくれたワクワクの「秘密」

「ねえねえ、あいちゃん!
11月30日に、私たちの近くの小学校にタイムレスが来るんだって!!」

突然の大ニュースに、私も思わずテンションMAX。

「えええーーっ! た、た、た、タイムレス!?
いいなぁ!テラとそうちゃんも来るかな!?
サイン欲しい〜!“応援してました!”って言っちゃおうかな!」

するとその子が、急に真顔になってこう言いました。

「……あいちゃん?」

「なぁに?」

「嘘かもしれないよ?」

「え?嘘?」


■ 実は前にも――“すごい話”を聞かせてくれていた

そういえば、前回サポートした日もタイムレスの話で盛り上がったのでした。

「友だちの楽屋に、タイムレスのしょうちゃんが来たんだって!
“お疲れ様です✨”って言ってくれたんだって!」

「えええーー!!優しい!いいなぁぁぁ!」

この時も私は目をキラキラさせながら話を聞いたけれど、
今日また、“友だちが言ってた話”として新しい情報を教えてくれた。

そして、そのあと。

「嘘かもしれないよ?」

と言ったその声は、なんだか少し勇気を振り絞ったような響きがありました。


■ 「嘘かもしれない」と言えた、その勇気

私はその子に笑いながら答えました。

「教えてくれてありがとう!
私、一人で小学校行って“あれ?タイムレスどこ!?”って
迷子になるところだったよ〜!助かったぁ〜!」

すると、ホッとしたように笑うその子。


■ この言葉にどれだけの気持ちが詰まってたんだろう?

きっと彼は、友だちの話をそのまま信じたかっただろうし、
「本当だといいな」という気持ちもあったはず。

でも、心のどこかでこう感じていたのかもしれない。

・あれ、本当かな?
・また言ってるなぁ
・信じたいけど…ちょっと不安
・あいちゃんに言ったら喜んでくれるかな
・嘘だったらどうしよう
・“嘘ついちゃダメ”って怒られるかな

そんな葛藤の中で、
最後に彼は自分から「嘘かもしれないよ」と言ってくれた。

その一言には、すごく大きな勇気があったんだと思う。


■ もしかしたら、この子は “試してみた” のかも

「嘘をついてみたらどんな気持ちになるんだろう?」
「信じてくれる人ってどんなふうに見えるんだろう?」

子どもって、ただ悪気があるわけじゃなくて、
こういう“心の実験”をしながら成長していく。

その中で、
私に「嘘かもしれないよ」と言ってくれた。

その瞬間、
私は救われたのはもちろん、
その子が“自分の正直さ”に向き合った勇気に胸がじーんとした。


■ そして最後は、ふたりでクマのぬいぐるみ作り

やさしくて、強くて、ちゃんと自分の気持ちを伝えられる子だなぁと思いながら、
そのあと一緒にクマのぬいぐるみを作った。

子どもが自分の心の揺れを言葉にできた瞬間に立ち会えるって、
ベビーシッターの特権だなぁと思う。


■ 今日のまとめ

子どもはときどき“真実じゃない話”をすることがある。
それは嘘というより、
感情の揺れや、関係性を確かめるサインだったりする。

そして、そんな時に大切なのは
「叱ること」ではなく、
安心できる関係の中で“正直になれた瞬間”を大切にしてあげること。

その積み重ねが、
子どもの心を強く、優しく育てていくんだと思う。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA